真人の呼吸は踵から

荘子の言葉に「真人の呼吸は踵でする」
というのがあるそうだ
ここで言う踵は足裏から足首までの範囲だという

117の「一本足奏法」で
直角に挙げている脚をさらに挙上させると（僅か数センチで良いのだ）
音も無く息が吸えると書いた

しかし、脚を直角に挙げる事は健康には良いかもしれないけれど
長い時間挙げ続ける事は出来ない
そろそろ卒業しようじゃないか

一本歯の下駄を利用しよう

大腰筋の出発点（腰の少し上）に手のひらを当て
　筋肉の動きを確認しながらその足を前後に動かしてみる
　大腿骨との接続部分を意識することも忘れずに

大腰筋が動いている事を確認したら
　口を「ほ」の形に開ける

踵が上がる時息が身体に入っていくのがわからないか
　音も無く、吸い込もうとする事も無く

これを真人の呼吸と言ってしまうのはおこがましいが
こんな風に踵で呼吸が出来たら恐い物は少なくならないか

脳みそ？ハート？

奥歯で鉛筆を横にくわえて前屈すると
いつもよりも深く曲がる。ティッシュでもハンカチでも良い
うそじゃない

また、同じように箸をくわえてタマネギを刻むと
目にしみない。全く涙が出ない
またぁ〜っと言わないでお試しあれ

こういう事が笛を吹く事に役にたたないだろうか

発表会などで、全くミスをしないでいることに気づくと
次の瞬間にミスをするのは何故だろう

さっきまでできていた事がある時急にできなくなるのは何故だろう

素晴らしい音が瞬間芸として出せても
持続しないのは何故だろう

曲の冒頭の音が上手く吹けないのは何故だろう


恐れるなかれ
全部己の心の中でのことなのだ

正直者は・・・・・

農協の直売所は素晴らしいのだ
いつでも元気な野菜達がニコニコしている
JAかしまなだの「なだろう」は水戸の「つちっこ」と品揃えが違って楽しい
週に１回、鉾田の教室に行く時に必ず立ち寄るのだ
今の季節はメロンが最前線でいばっているけれど
「あまえっ娘」「あまえる」などの
こっぱずかしいネーミングのミニトマトがはずせない
これに慣れてしまうとよそのトマトは食べられなくなる
それから、スーパーでは気取っているズッキーニが安い
緑と黄色と取り混ぜて６本位入っていて300円
どうだまいったか

今日はきうりの季節がやってきたので
緑鮮やかでぶつぶつのしっかりしたのを大量に購入
ピクルスにするのだ
まず３日くらい塩に漬け
しなしなになったら水気を奇麗に拭き取って
ピクルス液に漬け込むのだ
香辛料は庭の月桂樹、粒こしょう、タイム、唐辛子などなんでも
とりあえず入れてしまえばサマになる

今年は密閉瓶に縦に並べようと思いたち
得意のダイソーへ

315円の密閉瓶とガラスの蓋付き耐熱皿と105円のマグネットを二つ

レジに差し出すと「630円のお買い上げ」と言われる
高速で灰色の脳細胞が回転する
—「ラッキー！」とこのまま知らんぷりを決め込んで630円だけ支払うか
　正直に「違いますよ」と申告するか・・・・
　しかし、誰がみても明らかなこの間違い
　後ろに並んでいる人だってきっと気づいているに違いない
　そして何より、おばちゃんは「百均の女王」と呼ばれる女だ！
　不正は許されない—

結局「それでは足りないと思いますけど・・・・」
　
正直に、でも控えめに申告してみる

レジの方が自分の間違いを理解するのに思いのほか時間がかかり
「315円が二つあって、他に105円が二つあるから・・・・」
と説明しなければならなくなってしまった

なんだか損をした気がしてしまったのは何故だろう・・・・・

ドクターからの報告

「いやぁ、一本足面白いですね
　　大腿筋を挙上させるのはやっぱり大腰筋です
　　例の一本足の姿勢は大腰筋を鍛えるエクササイズとして
　　紹介されていましたよ
　　昨日のレッスンではクイックイッて鍛えていたんですね
　　大腰筋の上端は横隔膜についているということは
　　以前、私が調査して明らかですが
　　大腰筋は第３の呼吸として
　　古武道や能の呼吸法として知られているそうです
　　ついでに、能の呼吸とエクササイズの本を見つけたので注文しちゃいました」

ありがとうございます
能の呼吸から何か発見したらまた報告してください

そして、昨日のレッスンでも一本足の評価は高かった
しかし、なんといってもすぐ疲れる
いくら大腰筋のエクササイズと言っても長くは続けられない
足をあげずに同じ事をできるようにしたい
理屈はわかってもできなければ仕方が無い
それとも、地道に足を挙げ続け、大腰筋を鍛えればできるようになる？
否
反復練習で定着させる事は愚かだと学んだ所ではないか
観察するのだ

一本足奏法再び

一本足奏法の威力はやっぱりすごい
今日のSさんは
「いい音ですぅ、上体がすっかり抜けていい感じです」

もともと立派な響きの豊かな音を持ってらっしゃるのだが
欠点は力がすぐに上に上がってしまう事
それをしないで吹ける時間がずいぶん延長された
オクターブの跳躍もレガートで吹けた
半音階の上行形のクレッセンドも自然に美しい
お見事

その動作の詳細は117

しかし、悩んでしまった
あっという間に疲れるのだ

この時に身体の内部で何が起こっているのか
よおく観察するしか無いのだが

そうだ、Sさんは女医さん
わかるような何かアイデアは無いのだろうか

岬のレクエムのパート譜を書いた
ピアノ伴奏版にはパート譜が作られていなかったのだ
フルートオーケストラ版とはずいぶん違う
一通り書いたら細かい事がよく見えた
さらうより見えた

やっぱり思う
文明は文化の破壊なのだ