被災体験

東日本大震災（東北地方太平洋沖地震）の被災者のみなさまには、こころよりお見舞いを申し上げます。

それぞれに、色々な思いで過ごされた数日だったと思います。
連絡が侭ならず、たいへんにご心配、ご迷惑おかけいたしました。
茨城ではフェスティバルも中止になりました。
フェス中止の事後処理などはつくば周辺のスタッフにより
まだまだ続いていると思います。

後藤の暮らす赤塚地区の被害は大したことは無かったのですが、
なんと大洗のマリンタワーのティールームで被災してしまいました。
細長いガラス張りの建物の中で大きく揺さぶられ
グラスは宙を飛び、額は落ち
固定されたテーブルの下で、いっときを凌ぎました。
エレベーターは停止し（中に閉じ込められた人もいました）
非常階段から消火ホースをロープ代わりに使って
タワーリングインフェルノばりの壮絶な脱出劇を経験しました。
地上に降りてくるとすでに液状化は始まっており
地べたは水浸しでした。
事務所の人間と二人で行動していましたが
次に起こるであろう津波を想定して
離ればなれになるよりも車を置いていくことを選択し
自分の車をを大洗に置き去りにマネージャーの車で逃げました。
途中、２度目の大きな揺れがあり、車のハンドルを取られながら
路面の亀裂、陥没、橋は大きく揺れ、電線はしなり、信号は停止し
どこをどう走ったか判らないまま水戸を目指しました。
この時点ですでに停電が始まっていたので
ガソリンスタンドでは給油を断られました。
しばらく揺れが納まるまで大きな駐車場でやり過ごしましたが
次のことを考えるために動きだしました。
赤塚方面を目指しましたがずでに道路は大渋滞になり
燃料のことを考えると動くよりも留まることを選択し、
こうこうと明かりのともる県庁に入ってみました。

県庁は自家発電なので電気もあり、水も充分備蓄されており
公衆電話も使えました。
携帯電話はこの時点で繋がらなくなっていました。

しばらく過ごしていると
Mr.ドーナツからドーナツの差し入れがありました。



そのうち職員がやって来て「ここは避難所ではないが」という理とともに
別室に案内され、毛布とごく僅かな食料がが配られました。
自分の車での移動が侭ならず、燃料の不安に下手な動きもためらわれ
家族とも連絡がつかないまま県庁で一夜を過ごしました。



翌日、ようやくメールでの連絡が少しずつ可能になりましたが
水と電気の保証されている数少ない場所なので留まることにしました。
写真は窓ガラスの割れた県庁です。



13日に津波の心配が少なくなったので、大洗に残して来たはるぽを救出に向かいました。
大洗は、電柱が倒れ、電線が垂れ下がり、水の引いた後がひび割れ
波の爪痕が残っていました。
はるぽは、置き去りにした場所から多少は動いていたものの
殆ど同じ場所にいました。



シートに置いておいた楽譜類は一切濡れてなく、トランクの荷物も無事でした。
どうやらはるぽは浮いて泳いだらしい、というのがおおかたの意見です。
（大洗の役場で波をかぶった車両の室内はすべて泥まみれだったと
　我が家のピットが言っておりました）
はたして奇跡的に打ち身一つなかったはるぽのエンジンはかかったのです。



しかし、水戸市内で白煙を吹き停止、JAFF待ちとなり
JAFFの到着の見当もつかないので再び県庁の住民となりました。



14日は県庁サイドが避難所ではないことを理由に移動を要請して来たので
新聞記者の方や政治家さんをお呼びして、立ち会っていただき
管財課の方に状況を説明したりもしました。
その結果、県庁の方にもご理解いただき、近隣での一人暮らしで不安な方や
家屋の倒壊が心配で自宅で眠れない方や、遠方からの帰宅難民、
福島から来ていて帰るに帰れない方々の居場所として認めていただくことができました。

そして後藤も家に帰ってまいりました。
避難所でフルートを吹いたりして、少しはみなさまの慰めになったようです。



以上後藤の被災体験でした。

こんな時ですが
３月２４日の木曜コンサートは予定通り開催します。
同日、地震発生時刻　14:46 より
チャリティーコンサートを緊急開催します
内容は以下の通りです。
～亡くなられた方達の冥福を祈って～
アヴェ・マリア　／バッハ＆グノー
アヴェ・マリア　／カッチーニ
G線上のアリア ／バッハ　
主よ、人の望みの喜びよ／バッハ

～みんなで歌って元気になろう～
浜辺の歌　／成田　為三
故郷　／岡野　貞一　
この道 ／山田耕筰　
千の風になって ／新井　満
さとうきび畑／寺島　尚彦　

ふるさとによるポエム／安田芙充央
浜千鳥によるポエム／安田芙充央　
朧月夜によるポエム／安田芙充央　
ダニーボーイ／アイルランド民謡
エストレリータ／ポンセ　
ジス・マスカレード／ラッセル
クローズ・トゥ・ユー／バカラック
ソング・フォー・ユー／ラッセル
早春賦によるポエム／安田芙充央