何のためだろう

作文は嫌いだった
何のために書くのかがわからなかった
記録のため？
先生のため？
意味が分からない事はできない
子供のくせに思っていた

ある日突然読み手を意識した
学校の先生以外の読み手が面白いと感じるように書いてみよう
もともと本には小さい頃から親しんでいた
自分の読んで心地よい文体を目指そう、大好きな小説みたいに
そう思ったら楽しくなった
どんどん書けた
そして、評価もあがった

音楽に置き換えてみたらどうだろう
何のために演奏するのだろう
聴き手を意識しよう
自分が聴いて心地よい音を目指そう、大好きなフルーティストみたいに
そう思ったらどんどんイマジネーションが膨らまないか

ラッキー？アンラッキー？

橘月コンサートの台本を書いている
慌てて名曲の背景を調べる
いつも思う。
もっと早く知っていたら演奏に役立つだろうに。

ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ
ラベルがルーヴル美術館でみた
ベラスケスの描いた幼い王女の肖像がイマジネーションの源だという

ヨメが「名画の謎」なる立派な本を読んでいた
名画に込められた符牒のようなものを読み解く趣向の本らしい
「ねえ、ベラスケスとか載ってない」
ビンゴ！
スペインのフェリペ４世の王女が微笑んでいた
今日はついている

鉾田のレッスンワンに向けて車を走らせる
パチンコ屋の宣伝カーがやかましい
やたらやかましい

バックミラーを覗く
後続の車だった
今日はついていない

曲がってくれた
喧しさから解放された

ん？再び同じパチンコ屋の宣伝が・・・・
なんと対向車線からこちらにめがけてやってくる

やっぱりついていない

いい音って何だ？

響きの会の指導者である丸山先生は
「いい音って何だ？」
という問いかけをしょっちゅうする

初めのうちは「いい子だね」「いい女だ」
という表現から連想して
素直だとか行儀が良いとか奇麗だとかいう特性を限定しない
それら全てを満たすものだろうと考えた
音に当てはめると
「美しい」「透明」「力強い」「繊細」「華やか」「表情豊か」
音への賞賛の言葉はいくつも思いつくけれど
それら全てを含めて余あるものだろうと答えた

それでも、なお、また問いかける
「いい音って何だ？」

だんだん面倒くさくなって
「なぜ、敢えて『いい音』という言葉を選ぶのか？
『いい音』という言葉を神格化するのはなぜか？」
と問いかけてみた。

答えは「他に言いようが無いから」
「音だけで人を感動させるという音があるから」

なるほど・・・・・
私は過去を振り返る
今まで音だけで感動した経験があっただろうか・・・・・
音に感動した経験はずいぶんあるけれど
それは本当に純粋に音に感動したのだろうか
音楽や状況も含めて感動を覚えたのではないだろうか・・・・
純粋に音だけで人の心を打てるものだろうか・・・・

まだまだ考える事は尽きない

練習って何だ？

運動部のランニングは
本来のスポーツに入る前の基礎訓練として
多くの人が取り組む時間だろう

音楽にも基礎訓練がある
しかし、スポーツ的な肉体疲労を満足感と勘違いすると
全くの無駄骨折りとなる

前にも書いたが
まじめに練習していると現状を肯定したくなる
できない自分に狎れてしまう
疲労感を充足感とはき違える
危険な事づくしなのだ

練習の時間配分の話も前に書いた
ロングトーンの危険性も語った
音作り、音階練習、それからデイリーエクササイズ
音作りとは何だろう
求める音のイメージがあってそこに近づこうと試行錯誤する事だ
息をコントロールする事は指を動かす事の百倍難しい
音階練習はなぜするのだ
スケールを理解する事の他に
コントロールした息と指を合致させるためでもある
では、デイリーエクササイズは何をするべきか・・・・

各々が考えなければならない部分だ

続きはまた明日

あの手この手

春の訪れとともに去っていった猫とは
予想以上に冷たい関係になってしまった
置いて出かけた事の恨みか？

しかし、これでまとわりつかれる事無く
自宅で仕事ができるではないか
そして、猫を寝かせつける事も無くなったので
夜も作業ができるではないか・・・・・
おばちゃんは橘月コンサートの台本を書かなければならないのだ
２週間後の練習でランスルーできるように
準備しておかねばならぬのだ
そしてドップラーのソロだって合わせやすい準備は必要だ
それに、捧げ物のトリオソナタの楽譜も
もっともっと読み込んでおかなければ
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関係修復にはプレゼントだ
猫に鰹節
いや、愛の左手だ