ことばの大切さ

こんな私の音を好きだと言ってくださる方がいる

思い切って訊いてみた
「どういう所を気に入って下さっているのですか？」
「ええと・・・・・・」

答えてくださらなかった
同じ人に
「フルートの音のどういう所が好きですか？
　奇麗な所という答えは無しですよ」
と訊いてみた
「・・・・・・・・・」
再び口ごもってしまった

その方は言うのだ
「録音を聴いても、みんな良いような気がして
　どんな音が素敵かわからないのです
　だからだと思うのですけど、何を目指したら良いかわからないのです」

素敵かどうか・・・・わからなくてはならないことだろうか？
理解ではなく感じることではないだろうか
感じたら己が何を感じたのか知りたくならないか？
そうしたら、言葉を探せば良い
ありふれた言葉はありふれた音しか表現出来ない
素敵な音を表すためには、いく通りもの言葉を尽くすのだ

習慣づけてみよう
イメージが具体的になって来ないか？

支えって何だろう

「息を支えろ」とか「音を支えろ」
と言われたことのない人はいないだろう

では、その指導者に
「どうやって？」
と質問したことのある人はいるだろうか？

「腹で支えるんだ」
と答えたとしたら
それは「どうやって？」の答えにはなっていない

「腹に力を入れるんだ」
と答えたとしたら

「腹のどこ？」って訊いてみよう

「支えろ！」と言われた時の一般的な反応は
とりあえず力む
身体中ガチガチで自由に演奏出来る筈がない
「支える」目的は自由を得るためだよ

演奏する自分の中に
「支えている自覚」と「支えられている心地好さ」を
共存させるのだ

闇雲に力む前に観察して考えてみることだ
そしてそれは一瞬たりとも怠ってはいけないのだ
多分ね

クロワザさん

久しぶりにクロワザを聴く
デュパルクの旅への誘い
その名の通り、どこかへ連れて行ってくれる
（それを嫌う人もいるらしいけれど）

それと意識されてなされたものは
決して芸術ではない

良い音楽は皆そうだ
人は己の何かを重ねて勝手に涙を流す

同じ演奏を聴いても
「嗚呼、見事だ」と感じる時と
ただただ涙を流す時と・・・・・・
どっちが幸せかっていうと勿論後者

なんて優しいメロでディー、と思ったら
セブラックだった

クロワザのフレンチソング
お薦めですよ

静けさを考えたい

音を出す稼業、「静けさ」に憧れる
音を出す稼業だからこそ「静けさ」を再現したい

ギャラリーMIKASHで過ごす二日め
なんだかここはレッスンSTUDIOというよりも
己と向き合うための道場みたいになって来ている

水槽の中からの眺め
多くの人が行き交い、雲が流れ、空の色が移ろう

昨日とは照明を変えて半分明かりを落としてみた
（節電もかねて・・・・こう見えても気を使っているのだ）
暮れていくのが良くわかる
ここは暗くなってから特別な場所になる
ちょっと外へ出て中を見てみると
何かの胎内にいるようだった

室内も充分に暖まったので思い切ってエアコンも止めてみた
（こう見えても気を使っているのだ）
驚く程の「静けさ」があった

隔絶されたあちらとこちら
人の行き交う様を眺めながらの孤独と静けさ
修行のバックグラウンドとして申し分ない

いつまでもここで笛を吹きたいと思った
「静かな音」を見つめることが出来たと思う
でも、依然として何かの色がついている
「静けさ」には
あと100年位生きないと到達出来ないかも知れない

一人でいる時はこんな感じですが
レッスン随時受け付けます
ここにいるときっと何か見つけられますよ
ギャラリーMIKASHには水曜日と木曜日におります

嗚呼スマートフォン〜ギャラリーMIKASH

憧れのスマートフォン
時間の合間を縫って切り替えたのはいかがなものか・・・・

スマートフォンに切り替える時に
アドレスブックを写して（移して？）くれないなんて知らなかったのさ
こんなに従来の携帯電話と違うなんて知らなかったのさ

それでも新旧二つの携帯を持って
今日からの新しい居場所「ギャラリーMIKASH」に向かった
オーナーに「到着しました」のメール１本送るのに相当手こずった
嗚呼、スマートフォン

あのスペースに昭和が満ちているからとか
そんなことは言い訳にはならない
だってオーナーは結構先端の機器を揃えているしね

行き交う人からも室内からも双方向丸見えの大きなガラス
その中で過ごすのは水槽の金魚の気分
見られていることで引き締まり、修行の場としては悪くない
いつもより身になったかも

ここでレッスンしたらきっと上手くなるよ
手ぐすね引いてお待ちしております
どうぞ「ギャラリーMIKASH」のフルートレッスンへ
明日もおります