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フルートのこと、響きのことなど 我が家に住まうフルート吹きたちが勝手気ままにおしゃべりします
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今日は朝からピアノの調律
来週の発表会の伴奏合わせに備えて万全にしてもらうのだ

しかし、普段は滅多に弾いてもらえない可哀想なピアノ
メンテナンスも滅多にしてもらえない
木内さんに全てをさらけ出して可愛がってもらう



7年ぶりに開けたポンポンの中身



そして収穫物501円



もっと凄い物が出て来るかと思ったけれど
木内さんがそっと掃除機で吸い取ってくれておいたに違いない
そして、鍵盤をせっせと拭いてくれている
そんな所も埃だったのかぁ
綺麗にしてもらって、いい音を出せるようにしてもらって
ピアノはさぞや気持ちよいだろう

今日からしっかりピアノを弾かなければ
そう、14人前の伴奏が待っているしね

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誰が一番楽しげに「ドレミの歌」を吹けるか
試してみた
7人が挑戦した
7人7様の「楽しさ」の表現があった

楽しいって何だろう
活き活きとした表情のある音って何だろう

「活き活き」
この漢字を当ててしまうと
どうも「活魚」とか、「活き造り」とか
居酒屋的あるいは「ハトヤ」的な想像をしてしまうのは
おばちゃんだけだろうか・・・
それはそれで楽しいんだけどね

そのイメージから依然脱していないまま考えると
はねることや機敏な様子と「活き活き」は関係があるように思う

魚がぴちぴちと跳ねる
そこに活き活きとした生命を感じるのだ

命の無い無機物でも考えてみよう
ピンポン球のはずむ様子
スーパーボールの強い跳ね返る力は
恰も命があるかのように軽やかで鮮やかだ

はずまない物は落下すると「びちっ」とか「べちゃっ」とか
悲しい音をたてて潰れてしまう
落下のショックを受け止めてしまうのだ

反発力のある物のたてる音は「こんっ」とか「ぽんっ」とか
小気味が良いのだ

こんな方向から響きを考えられないだろうか

そうすると「響き」と「活き活きとした音」も
関係があるように思われる

そしてやっぱりMORE LIFE!

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師匠との席で夜が更けるといつも必ず
「愛すべきオーケストラの先輩」の武勇伝が登場する
師匠の先輩方は「軍楽隊」上がりなのだそうだ

曖昧な認識しかないので思い切って色々訊いてみた

「軍楽隊って何ですか?」
「今の自衛隊の音楽隊だよ」
「他に楽団って無かったんですか?」
「親方(近衛秀麿)の新響ってのがあったけどね」
「それはいつ頃から?」
「大正時代の終わりかな」
「明治時代はどうしてたんですか?
  例えば鹿鳴館のダンスパーティーの音楽って楽団いたんですか?」
「何人かはね」
「山田耕筰さんって日本人で西洋音楽の作曲家の草分けじゃないですか
  そんな音楽的環境で、からたちの花みたいな
  レシタティーボでしょ、あれ、すごいですよね
  あんな発想できるんですか?」
「あの人はベルリン仕込みだから」
「洋行できちゃうってすんごいセレブなんだ」
「ぼくは山田耕筰さんとやったことがあるよ
  とにかく、異様に目の光の強い人だった」
「ぼかぁ、あの北原白秋の詩の中のあの、からたちのそばで泣いたよ
  ってところが好きだな」
「あたし、その後のみんなみんなやさしかったよが好きだぁ」

と、いつまでも宴は続くのだった

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「More Life! More Life! More Life!」
かのモイーズ先生のレッスン模様の録音を聴いた

だみ声で執拗に叫ぶのだ
「More Life! More Life! More Life!」
そこで生徒が繰り返しダメ出しを食らっているのは
ハンガリー田園幻想曲中のFisへの跳躍

録音からでもものすごい生命力が伝わって来る
そのうちに受講生の音がと変わってくるのだ

「音の生命力って何だと考えますか?」
夕べ師匠に訊いてみた
「活き活きとした音」
「じゃあ、活き活きとした音って?」
「生命力のある音」
・・・・・・・・・・・・・・・
またはぐらかそうとしている

師匠は本番前に楽屋でバッハのパルティータのアルマンドをさらう
腹でハッハッハッハッハッハッハッハと
サラバンドもさらう
やっぱりハッハッハッハッハッハッハと

何故かと訊ねると
「グルックの精霊の踊りを吹くためには腹の訓練が必要なのだ
  そして、たまたまその題材にバッハがちょうど良かったのだ」

静かな音楽のために腹を鍛える
音に命を宿らせるには
誰かに言われた練習をするのでなく
目的を達成するために何が必要かをまず知らなくてはならない
遠廻りに見える道程が実は近道だったりもするのだ

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ピアノを弾かねばならぬ

発表会の伴奏の14人前
年に1度の試練とも言える

おばちゃんのピアノの力量で演奏曲に制限ができてしまう
という悲しい事情は断固あってはならない!

ので、正式にピアニストの先生はお願いしてあるのだが
様々な事情でおばちゃんも伴奏を弾かねばならぬのだ

昨日は時間をかけたロングトーン、スケール練習の後に
気分転換のつもりでピアノをさらい始めたら
あまりにも弾けないのであっという間に2時間が経過
本命のバッハに手を付けられなくなってしまった

しかし、あまり得意でないピアノ
普段さらわないだけに弾いた分だけ向上する
未熟さの顕れだ
そして、視野の狭さに気づく
一つの問題点を解決しようとするとそのために多大な犠牲が払われる
Uさん、あなたの気持ちが良くわかりましたよ

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フルートのおばちゃん
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1961/04/01
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しがない笛吹き改め花も実もある笛吹き
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