覚え書き

「simpleでは足りない、emptyがいい」と師匠はいう
　empty＝空ってなんだろう

　透明なもの？
　平面ではなく立体？
　スペース？宙？

　般若心経を読もうか・・・・・・

「空には容器はあるのでしょうか」
「いや、枠があったら空ではない」
・・・・・・
「空っぽになって演奏して、そこから何かが出てしまったら
　それは仕方がない、寧ろなにもでなかったら音楽じゃない」

「音楽って何ですか？」


・・・・・・・・・・


空を考えよう、音楽を考えよう
今必要なものをが見えてくる筈だ

矢を射る前に的を見据えると以前書いた
撤回する
的の向こうのものを見据えるのだ

・・・・・・・・・

心を込めて吹いたつもりの母校の校歌
録音を聴いてみたらまるで私小説だった
おばちゃんの話しなんか誰も聴きたくないだろう
もっと空を考えろ

・・・・・・

意図して行われたものから芸術は決して生まれない
空っぽになるのだ
ただ空気を振動させればいいだけのことじゃないか

・・・・・・・

世阿弥の三重戒
好色、博奕、大酒

煮詰まった猫

昼間も寒い日が続く
自宅のレッスンルームで修行をしていると
ドアを押す奴がいるので（引かないと開かない）開けてやると
煮詰まった猫がやって来た
「肉球が冷たいので世界を愛せにゃい」
と訴える
そして、そこら中の物を引っ張りだして検品などした末
やおら膝に乗って暖をとり、このまま寝るのだと言う
修行は中断されてしまった・・・・



奴隷の辛さよ

シリーズ悪魔の囁き

「音程が良くなる方法を教えてあげよう」

　「自分の音を良く聴けばよろしい」
　　そして、他との関係を知れば良い」

「思い通りの音を出す方法を教えよう」

　「思い通りの音のイメージを具体的にすればよろしい
　　そしてそれを言葉にすれば良い」
　　
「楽譜が読めるようになる方法を教えてあげよう」

　「楽譜に感謝し書いてあることを良く見ればよろしい
　　それに忠実であるだけで良い」

だまされたと思う？
これは、ただただおばちゃんが日々心がけていることだ

最初の音を確実に出したかったら

最近のおばちゃんのブーム
「最初の音を確実に出す方法を教えてあげようか」
こんな悪魔みたいなささやきだ

究極のその秘訣は
「確実に音が出るように準備をすれば良い」
という至極当たり前の答えだ

皆さん大抵、曖昧なまま音をだそうとする
出ないんじゃない、とか思いながら
それでいい音が出る筈無いでしょ

弓の名人が呼吸を整え
的を見据えて、腹を据えて集中する
肩の力を抜いてきりきりと弓を引き絞り
身体の芯が充実していることを感じながら矢の先が的に向かい
指を離しさえすれば次の瞬間、的の中央を射抜く

そんな状態を作ればいいのだ

いかが？そうやって吹いてる？

そんな準備が充分か否かは端から見たら一目で分かる

悪いけど、おばちゃんは断固としてそうやって吹く
いつ何時でもだ
だから武士とかいわれちゃうのかも

ヒトって凄いんです

ヒトの脚って凄いんです
彼方に見える山のいただきにちゃんと到達するんです
それはとても遠くて到底行ける筈が無いと思うし
何時間も何時間もかかるけれど
信じて向かえば自分の脚でちゃんとその地を踏みしめているんです

・・・体力維持って気をつけてますか？


それは勿論
体力ってあるとか無いとかの問題じゃなくて
つけるものだと思うのです

・・・懲りたとか、もういやとか思わないんですか？

困難であればある程、達成感は格別の物だし
景色は勿論、空気や匂いも変化していって
そこに向かう過程全てに得難い体験があるのです

山好きのKさんからとても素敵な話を聞いた
ちょっと言葉を置き換えてみた

　ヒトの能力って凄いんです
　出来ないと思える段階にちゃんと到達するんです
　その音は今の自分とはかけ離れていて到底手に入る筈が無いと思うし
　何時間も何時間もかかるけれど
　信じて向かえば自分でちゃんとその音を出しているんです

　・・・技術の維持って気をつけてますか？

　それは勿論
　技術ってあるとか無いとかの問題じゃなくて
　つけるものだと思うのです

　・・・懲りたとか、もういやとか思わないんですか？

　困難であればある程、達成感は格別の物だし
　音色は勿論、発想がどんどん変化していって
　そこに向かう過程全てに得難い体験があるのです

そして最後にこう仰った
「登るなら高い山がいいです」